今回は、ほくろができる原因、ほくろを消すための方法、ほくろ除去を実践する際の注意点などについて、詳しく解説します。
ほくろ除去方法の種類、肌の点滴である紫外線対策についても解説しているので、ほくろが気になる人はぜひ参考にしてください。
ほくろとは?
ほくろは、医学用語で母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)、あるいは色素性母斑と呼ばれています。皮膚のいたるところに発生し、大きさは数mmから数cmまでありますが、ほとんどが直径5mm以下の小さなものです。
成人になってから「巨大先天性色素性母斑」という名称の、直径20cmほどのほくろが発生するケースもあります。このタイプは悪性黒色腫である可能性が高いため、注意をしなくてはいけません。
ほくろの色は、黒、茶色などがあり、なかには通常の肌とほぼ同じ色のものもあります。ほくろの種類は大きく分けて、下記のような3タイプです。
・境界母斑
細胞が皮膚の浅いところにあり、小さく色素も薄いほくろ
・真皮内母斑
細胞が皮膚の深いところにあるあり、皮膚の表面上に盛り上がっているほくろ
・複合母斑
細胞が境界・真皮内の間にできるほくろ
ほくろの種類、大きさによって、施術方法・施術回数も合わせる必要があります。
ほくろが作り出される3つの原因
ほくろが人より多めの人、大きなほくろが気になる人は、なぜほくろが発生するのか、という原因を知っておけば対策が立てられます。ほくろが皮膚上にできる原因は下記の3つです。
- 紫外線を浴び続けている
- 肌に不要な刺激や摩擦を与えている
- 不規則な生活を送っている
下記より、3つの原因についてそれぞれの詳細を説明します。
紫外線を浴び続けている
ほくろが増える原因の代表格は、紫外線の影響です。外出する機会が多く、肌を露出した格好をしていると、紫外線を浴び続ける羽目になります。
紫外線を浴び続けると、色素沈着の原因であるメラニン色素が生成されるのを知っている人は少なくないでしょう。このメラニンのもとが、色素細胞である「メラノサイト」です。
体内にあるメラノサイトは、紫外線などの外部からの刺激を受けると体内を保護するために、メラニン色素を生成します。メラニン色素は皮膚を守る役割をしますが、その反面、色素を定着させるのが特徴です。
紫外線を浴び続けるとメラニンの生成が活性化され、それがほくろやシミとなって皮膚にあらわれてしまうのです。
肌に不要な刺激や摩擦を与えている
先述したメラノサイトの活性化は、紫外線だけでなく外部からのあらゆる刺激に対して反応し、身体を保護する働きをします。紫外線以外の肌への刺激に該当するものは、下記の通りです。
- 強い成分が配合されたものを肌に塗布する
- 肌に摩擦や圧迫を加える
人によっては肌のスキンケアを怠らずに、毎日さまざまなものを肌に塗布している人もいるでしょう。しかし肌に塗布するものに強い成分が配合されている場合、肌を刺激してしまい、メラノサイトの働きを活性化させてしまいます。
また、肌の汚れを気にするあまり、必要以上に肌をこすっている人もいるでしょうが、それも肌に負担をかけてメラニン色素が増える原因になるのです。
肌のために良かれと思ってやっている行為が、ほくろ増加のきっかけとなってしまいます。
不規則な生活を送っている
生活習慣が乱れて不規則な生活を送っていることも、ほくろが増える原因の一つです。紫外線を浴びること・肌に余計な刺激を与えることは、肌に負担をかけるNG行為ですが、それでも肌の新陳代謝であるターンオーバーが正常に機能していればほくろが増えることはありません。
ターンオーバーが活発であれば、外部からの刺激を受けてダメージを負った皮膚が剥がれ落ちて新しい皮膚が生成されるため、ほくろ・色素沈着は定着しない仕組みです。
しかし、偏った食生活による栄養不足・不規則な生活による睡眠不足が続くと、身体の機能も正常でなくなり、ターンオーバーも円滑に機能しなくなります。それにより新しい皮膚が生成されにくくなり、色素沈着・ほくろの定着が生まれてしまうのです。
ほくろを消す方法4選
ほくろ除去施術を受けようか検討している人は、施術にはどのような種類があるのか事前に覚えておくと便利です。どの施術が自分のほくろに適しているか、選択できます。ほくろ除去施術の種類は下記の通りです。
- 電気メス
- 切開法
- くり抜き法
- レーザー治療
次にほくろ除去の種類について、それぞれの特徴を説明します。
電気メス
電気の力で熱を発する特殊なメスを使用する施術方法が、電気メスです。電気メスが発する熱を利用して、ほくろを除去します。レーザー治療の次に施術時間がかからないため、長時間の施術を避けたい人に向いている方法です。
また、肌にかかる負担もそれほど大きくないため、傷跡の心配は不要です。施術後は後が若干凹みますが、2週間ほどで元に戻ります。小さめのほくろに適した施術方法のため、大きめのほくろ除去の場合は時間がかかります。
・料金相場:5,000円〜10,000円
切開法
大きめのほくろに悩んでいる人に向いているのが、切開法です。ほくろ周辺の皮膚を切開してほくろを取り除きます。皮膚を切開することによって皮膚の深層部にある細胞まで除去できるため、大きめのほくろを消して再発を防止したい人に向いている方法です。
他の施術と違い切開をするため、施術に時間がかかり、施術後は縫合・抜糸をする必要もあります。肌がもとに戻るまで時間がかかり、抜糸のための通院もしなくてはいけません。手間がかかりますが、その度に医師にチェックをしてもらうので、トラブルがあっても安心感があります。
・料金相場:10,000円〜20,000円
くり抜き法
専用器具である「パンチ」を使って、ほくろをくり抜く施術方法が、くり抜き法です。パンチは皮膚の深層部まで届くため、レーザーなどでは届かないほくろの細胞まで除去できます。ほくろの種類のなかで厄介なのが、皮膚の表面上のほくろを消しても根深いために再発するタイプです。
くり抜き方法であれば、ほくろを根こそぎ除去できるため、再発の心配はありません。ただしダウンタイムは最長6ヶ月と長めです。
・料金相場:10,000円〜20,000円
レーザー治療
レーザー治療は、色素に反応する特殊なレーザーをほくろに照射して、色素を蒸発させて除去する施術方法です。切開をしないため、痛みもほとんどなく施術後の傷跡も目立ちません。ダウンタイムも3ヶ月ほどなので、他の施術よりも治りが早いです。
大きめのほくろ、根深いほくろだと、1回の施術では完了できず再発する恐れがあるため、複数回の施術が必要な場合もあります。
・料金相場:4000円〜10000円
ほくろを消す場合の3つの注意点
気になるほくろを取り除きたい場合、いくつかの注意点を把握しないといけません。その注意点とは、次の3つです。
- 自己判断で除去しない
- 必ず除去できるとは限らない
- 施術後に元には戻せない
この3つの注意点それぞれの詳細について、次より説明します。
自己判断で除去しない
ほくろは、医療機関以外で除去するのは困難なので、自己判断でのほくろ除去は避けましょう。自分で切開して取り除くなどの行為は、身体を痛めるだけでほくろが取れたとしても、傷跡が悪化して目立つだけです。取り除いたとしても細胞自体が残っていたら再生する恐れがあります。
また、市販されているほくろ除去クリームの使用も避けましょう。一時的にほくろが除去されたとしても、配合された化学成分によって害をもたらす危険性があります。
厚生省も「インターネット等で購入した未承認医薬品等・健康食品(医薬品成分含む)の健康被害情報」という情報を公表して、使用の注意を呼びかけているので、情報をチェックしておきましょう。
ほくろ除去をする場合は、確かな知識とスキルを持ったクリニックに相談をするのが無難です。
必ず除去できるとは限らない
ほくろ除去は、ほくろの種類・患者の体質などによって、施術を受ければ100%除去できる、あるいはすぐに傷跡が回復しないケースもあります。
ほくろは大きさ、根の深さなどさまざまな種類があり、その状態によってそれに見合う施術方法を選択し実践しないといけません。
レーザー治療は肌に負担がかからず施術時間もかからないメリットがありますが、大きめ・根が深いほくろには向いていません。根が深いほくろにレーザー治療をしても再発する恐れがあります。
また、回復具合にも個人差があるのもほくろ除去施術の特徴です。施術後にかさぶたができてすぐに治る人もいれば、時間がかかる人もいます。時間がかかると「何か異変が起きたんじゃないか」と不安になり独自のケアをする人もいますが、それは悪化する原因にもなるため、避けましょう。
施術後に不安になった場合は医師に相談をする、またはそれを想定してアフターケアが充実しているクリニックを選ぶことが大事です。
施術後に元には戻せない
施術前・施術後では希望していた仕上がりにならなかったというパターンもあります。先述した通り、ほくろの状態とそれに見合う施術方法が一致していないと、希望通りの結果が出ません。
そのような希望通りにいかなかったという失敗をしないためには、施術前のカウンセリングでしっかりと医師と意思疎通をはかることです。自分がどのような悩みを持ち、施術後の仕上がりはどのような状態を希望しているのか、明確に伝えることが大事といえます。
施術実績が豊富で評判の良いクリニックであれば、カウンセリングの時点で目標を明確にしてくれるため、実績が豊富なクリニックを選ぶのがおすすめです。
ほくろが多い人の3つの特徴
ほくろが人より多いと感じる人は、次のような特徴があります。
- 直射日光を浴びる環境下にいる頻度が高い人
- 生活習慣が乱れている人
- ホルモンバランスが崩れている人
ほくろが多い人の詳細について下記より説明します。
直射日光を浴びる環境下にいる頻度が高い人
外にいる機会が多い人は、直射日光を浴びることが人より多いため、ほくろが増える傾向があります。日光の紫外線を肌に浴び続けるとメラニンを生成するメラノサイトの働きが活性化されて、メラニン色素が次々と生まれます。それにより、肌にほくろ・シミが増加してしまうのです。
生活習慣が乱れている人
不規則な生活による睡眠不足・栄養不足といった生活習慣の乱れによっても、ほくろは増加します。先述した紫外線による肌のダメージは、肌のターンオーバーが正常であれば、ダメージを受けた皮膚は剥がれ落ちて新しい皮膚が新たに生成されます。
しかし生活習慣が乱れて、ターンオーバーを正常に機能させるさまざまな要素が不足すると、皮膚の新陳代謝が進まず、メラニンも皮膚上に残ります。それによりほくろも増加して残ったままになるのです。
ホルモンバランスが崩れている人
ホルモンバランスが乱れる場合も、ほくろが増える原因の一つです。ホルモンバランスの乱れは、生理不順・更年期によって発生します。それによりメラニン排出のサイクルが狂ってしまい、その結果ほくろが増加してしまうのです。
ほくろを増やさないために!紫外線対策は必須
先述した通り、ほくろが生成される原因の一つが、紫外線による被害です。これ以上ほくろを増やしたくない人、除去跡を刺激したくない人は、紫外線対策を万全にしないといけません。
紫外線対策には以下のような方法があります。
- 日焼け止めクリームの塗布
- 日傘の使用
- 肌を露出しない服装
- 帽子・マスクの着用
猛暑日に長袖を着る・マスクをするのは大変ですが、ほくろ増加が気になる人は徹底して紫外線対策に力を入れましょう。
また、メイク用品は肌を刺激しない成分が配合された、無着色・無香料の製品を使うこともおすすめです。
若いときであれば対策をしなくてもターンオーバーが活発なため、日焼けをしてもそれほど問題はありません。しかし年齢を重ねるごとにターンオーバーの働きは衰えてくるため、紫外線を直接浴びるのは避けるように心がけましょう。
まとめ
ほくろ除去施術を検討している人は、ほくろができる原因について把握しておきましょう。それによってほくろが増えない対策が立てられます。またほくろ除去施術にはどのような種類があるのか覚えておくことも大事です。
施術の種類を把握することによって自分に適した施術方法・予算などを考えられます。ほくろの仕組みとほくろが生成されないための対策、除去施術のタイプなどを覚えて、クリニック選び・肌対策を円滑に進めましょう。