今回は、ほくろ除去施術の種類、ダウンタイムの症状、施術を受けた際の注意点などについて、詳しく解説します。
ダウンタイムの症状が出る期間の目安、ダウンタイムが起きている間の過ごし方についても説明しているので、ぜひ参考にしてください。
ほくろ除去に利用される4つの施術法
ほくろ除去の施術方法は1つではなく下記のように複数の種類があります。
- 電気メス
- くり抜き法
- 切開法
- レーザー治療
この4つの施術方法について、下記よりそれぞれの特徴を説明します。
電気メス
対象のほくろのサイズ | 5mm以下 |
ダウンタイム | 約3ヶ月〜6ヶ月 |
費用相場 | 5,000〜10,000円 |
電気メス施術は、5mm以下の表面に盛り上がったほくろ除去に向いている施術方法です。電気メスの熱を利用してほくろを皮膚から取り除きます。
出血が少なく肌にかかる負担が少ない・時間がかからないといったメリットがあり、施術後の凹んだほくろ跡がもとに戻る期間も2週間ほどで済むのも特徴です。
5mm以上のほくろ除去をする場合、施術後に除去跡が色素沈着・傷跡が発生する可能性があるため、大きなほくろ除去には向いていないといえます。
くり抜き法
対象のほくろのサイズ | 5mm以下 |
ダウンタイム | 約3ヶ月〜6ヶ月 |
費用相場 | 10,000~20,000円 |
ほくろを円形状にくり抜いて除去する施術方法が、くり抜き法です。皮膚の表面だけでなく皮膚の奥層のほくろの根っこをくり抜くため、確実にほくろを除去したい方に向いています。
ほくろにパンチを押し当ててくり抜く方法なので、ホクロ除去後の縫合がほとんど必要ありません。パンチによりピンポイントでほくろのみを除去するため、ほくろ周辺の組織に負担がかからないこともメリットです。
ほくろ除去の実績が乏しいクリニックを選んだ場合、傷跡が残る可能性もあります。
消費者庁も「美容医療サービスを受けるに当たっての確認ポイント」において、注意を呼びかけているので、クリニック選びは慎重に行わないといけません。
切開法
対象のほくろのサイズ | 5mm以上 |
ダウンタイム | 約3ヶ月〜6ヶ月 |
費用相場 | 10,000〜20,000円 |
5mm以上の大きめのほくろ除去に向いているのが、切開法です。ほくろそのものでなく、ほくろの周囲の皮膚を切開し、ほくろを除去します。
切開施術のため施術後はほくろ跡縫合・抜糸をする必要があり、施術後も抜糸のために来院しないといけません。ただしその際に除去跡の観察をするため、再発防止ができます。
切開施術なので他の施術よりも時間がかかり、30分ほどの時間が必要です。また、施術後は施術跡が悪化しないために、飲酒・運動は控えないといけません。
レーザー治療
対象のほくろのサイズ | 5mm以下 |
ダウンタイム | 約1ヶ月〜3ヶ月 |
費用相場 | 4,000〜10,000円 |
専用の特殊なレーザーをほくろに当てて除去する方法が、レーザー治療です。レーザーでほくろの色素を破壊して除去をする方法なので、確実にほくろのみを取り除き、ほくろ周辺を傷つけることはありません。
レーザーそのものも肌に負担がかからないため、痛みなどが少なく施術も時間がかからないメリットがあります。施術後もそれほど跡が目立たないため、普段忙しくて時間がつくりにくいという人でも、安心して施術を受けられます。
ただし、レーザーは皮膚の深層部までは届かないため、根深いほくろの場合だと除去しても元に戻る可能性があります。
ほくろ除去後のダウンタイムの症状や期間
ほくろ除去施術で生じる可能性があるダウンタイムの症状は、下記のような種類があります。
- 肌に赤みが腫れが出る
- 内出血が起こる
- かさぶたができる
- 患部が盛り上がる
それぞれの症状の詳細について説明します。
肌に赤みが腫れが出る
ほくろ除去施術のダウンタイムの代表格が、肌に生じる赤み・腫れです。ダウンタイムの期間は個人差があり、施術後2〜3日ですぐにもとに戻る場合もあれば、1ヶ月以上は赤みがひかない場合もあります。
ただし、期間に違いがあっても放っておけば自然に腫れ・赤みはおさまる仕組みです。赤みや腫れが気になる人は独自の方法を行わず、医師に相談をしましょう。医師の指示に従うケアを行えば、通常のダウンタイムよりも早く腫れや赤みをおさえることも可能です。
内出血が起こる
ほくろ除去施術を受けると、施術後のダウンタイムで患部に内出血が起こることもあります。内出血といっても目立つタイプではなく、メイクでカバーしても違和感がない程度の目立たないものです。
内出血の期間は1〜2週間ほどで、切開の場合だと肌がもとに戻るまで2週間程度かかります。切開するタイプの施術方法は肌を切るため内出血が起きやすいのが特徴です。内出血を避けたい人は切開タイプの施術法を避けることをおすすめします。
内出血が2週間経過してもおさまらない場合、医師に相談をしましょう。
かさぶたができる
レーザー施術後のダウンタイムで生じるのが、かさぶたです。レーザーで当てたほくろ跡に小さいかさぶたが生じます。レーザーの熱によって肌は若干のダメージを受け、それを修復するためにかさぶたが形成されるという流れです。これは身体の修復能力として正常に機能しているため、決して異常事態だと思ってはいけません。
また、かさぶたは自然に剥がれて新しい皮膚が生成されるため、放っておけば数日〜1週間程度でかさぶたは消えます。
放っておけば元に戻るため、かさぶたをいじらないことが大事です。かさぶたを引っ掻く、肌を不潔に扱うといったことをすると、傷口が残ってしまう可能性があります。
患部が盛り上がる
ほくろ除去施術後のダウンタイムにおける特殊な例が、患部の盛り上がりです。施術後にほくろ除去跡が盛り上がって突起した状態になった場合、ケロイド・肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)である可能性があります。
ケロイドとは、皮膚の真皮で起きる炎症で、ほぼ同じ症状である肥厚性瘢痕よりもケロイドのほうがひどい症状なのが特徴です。ほくろ施術後のダウンタイムが正常であれば症状は自然とおさまりますが、新しい皮膚が円滑に生成されなかった場合、ケロイドの状態になります。
傷跡が盛り上がった状態になった場合、医師に相談をして適切な処置を受けましょう。この症状は医師から処方された軟膏や飲み薬、貼り薬などで治します。
ほくろ除去当日の注意点
ほくろ除去施術を終えたあとは、下記のようなことに注意しないといけません。
- シャワーのみで済ませて入浴はしない
- 患部を触ったり刺激を与えたりしない
- 患部に直接メイクしない
この3つの注意点について説明します。
シャワーのみで済ませて入浴はしない
ほくろ除去施術が終わった当日は、入浴を避けましょう。熱いお湯に長時間浸かる入浴、身体の洗浄は施術で生じた傷跡を刺激する恐れがあり、傷口が悪化します。
傷口に負担をかけないためにも、入浴は避けてシャワー程度に済ませておくことが大事です。シャワーの際も傷口に刺激を与えないように心がけなくてはいけません。人によってはゆっくりお風呂に入って疲れを取りたいと思っている人もいるでしょう。
しかしそれをやると、刺激を与え傷跡が消えずにそのまま残る危険性があるので、それを避けるために入浴は禁止です。
患部を触ったり刺激を与えたりしない
ほくろ除去施術を受けたあとは、患部を触るなどの行為はやめましょう。患部に赤み・かゆみが生じると気になる人もいるでしょうが、患部を触ったり掻いたりすると、患部を刺激して症状の治りが遅くなる・悪化して跡が残るといった被害がでます。
また夏などの紫外線が強い時期は、紫外線によって肌を刺激してしまうため、帽子やマスク、サングラスなどを着用して紫外線対策を実践することも大事です。
患部に直接メイクしない
施術後はメイクをしても問題ないですが、患部へ直接メイクをしてはいけません。メイク用品の成分が施術跡を刺激して、傷口が悪化する恐れがあります。
手術後、傷口が完全に治癒するまでの間、メイクは避けることが推奨されます。化粧品に含まれる成分が傷口に入ると、感染の原因となる可能性があります。また、メイクをすることで傷口を刺激する可能性もあります。
メイクはダウンタイム中は避けるのが無難ですが、メイクをしたい場合は傷口に貼った絆創膏の上からメイクをすることが大事です。施術後のメイクの注意点については、次の段落でまた詳しく解説します。
ほくろ除去後もメイクはできる?気をつけるポイント
ほくろ除去施術のあとのケア方法は、受けた施術の種類によって異なります。主な種類は、除去跡を絆創膏で隠す・除去跡に軟膏を塗布するといった2種類です。
この期間にメイクをしたい場合は、ケア方法の種類に合わせてメイクのアプローチも変えなくてはいけません。
・絆創膏の場合
絆創膏を貼った状態であればメイクをしても問題はありません。絆創膏を剥がしてのメイクは禁止です。
・軟膏の場合
施術後から3日ほどはメイク・日焼け止めなどの塗布は禁止です。塗布していいのは軟膏だけです。ただし刺激のある成分が配合されていないものであれば、軟膏を塗る期間であってもメイク・日焼け止めを塗っても問題ありません。
ただし化粧品・日焼け止めは厚く塗らないようにしましょう。
ほくろ除去後のダウンタイム中の過ごし方
ほくろ除去施術を受けたあとは、施術跡が悪化しないように安静に過ごさなければいけません。ダウンタイム中の過ごし方のポイントは下記の通りです。
- 長時間の入浴はしない
- 除去した部位に刺激を与えない
- 激しい運動や飲酒をしない
- 紫外線を浴びない
それぞれのポイントについて説明しましょう。
長時間の入浴はしない
施術を受けた当日からダウンタイム終了までの期間は、入浴は避けましょう。人によっては熱い湯船に浸かりたいという人もいるでしょうが、熱いお湯は傷口を刺激して、悪化する恐れがあります。
ダウンタイム中はなるべく入浴は避けてシャワーで済ませる、入浴するとしてもぬるま湯で短時間で済ませることが大事です。シャワー・入浴時は、傷口を刺激しないようにしましょう。
除去した部位に刺激を与えない
ほくろ除去をした跡に刺激を与えないで安静にすることも大事です。ほくろ除去後は除去をした部位にかゆみが生じる・かさぶたができるなどの症状が起きます。
これらはダウンタイム中の症状なので、放っておけば自然とおさまりますが、気になって引っ掻いたりかさぶたを剥がしたりする人もいるでしょう。しかしそのような行為は一向に症状がおさまらずに、症状が持続、あるいは今以上に悪化する原因になるため、やめましょう。
また刺激を与える行為は、傷跡が色素沈着をする原因にもなります。これによりせっかくほくろ除去をしたのに、跡が目立ってしまう恐れがあるため、やめましょう。
激しい運動や飲酒をしない
ダウンタイム期間中に激しい運動・飲酒をすると、血の巡りがよくなって出血をしやすくなります。それによりダウンタイムが長引いてしまい、その結果、起きやすくなるのが症状の悪化・傷跡の色素沈着です。
日頃から運動をしている人、お酒が好きで飲酒が欠かせない人が、それらを禁止事項にするとストレスが溜まる人もいるでしょう。しかし我慢をしないとせっかくほくろ除去をした部分がさらに悪化して目立ってしまう恐れがあります。運動や飲酒はダウンタイム中だけでも避けましょう。
紫外線を浴びない
ほくろ除去施術の完了後は、紫外線対策についても考えなくてはいけません。紫外線で肌に刺激を与えると、色素沈着によりさらにほくろやシミが増える恐れがあります。
ダウンタイム中は紫外線で傷跡を刺激しないように、日傘や帽子・日焼け止めなどで対策をすることが大事です。
日焼け止めは肌を刺激する成分が含まれているため、無着色・無香料など刺激の少ないものを選びましょう。それにより肌にかかる負担を回避できます。
まとめ
ほくろ除去施術では、施術方法に応じて適切な処置を行うことが可能です。ただし、施術後は除去跡に刺激を与えないで安静にすることが重要です。それを怠るとさらに悪化して跡が残ってしまいます。
ほくろ除去施術を受けたあとのダウンタイムにはどのような症状があるのか、ダウンタイム中の過ごし方はどうすればいいのか、しっかりと把握することが大事です。
ほくろ除去のダウンタイムについての注意点を頭に入れて、円滑にほくろ除去施術を受けましょう。