「毛穴の開きや黒ずみをどうにかしたい」
そんな悩みを解消するべく、近年注目を集めているのがエクソソームです。エクソソームは細胞間のコミュニケーションを助ける微小なカプセル状構造で、肌の環境を整える働きが期待されます。
この記事では、エクソソームがもたらす毛穴の悩み改善の効果、ホームケアとクリニック施術の違い、費用感まで詳しく解説します。毛穴の開きや黒ずみなどに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
エクソソームとは?毛穴に効果がある?
エクソソームとは、細胞が分泌する直径30〜150nmほどの、タンパク質やマイクロRNAなどを含んだ物質のことです。肌になじませたり注射・点滴などの施術で届けると、角層や真皮の環境を整える作用が期待され、炎症の鎮静やコラーゲン産生のサポートに寄与します。
毛穴に関しては、皮脂分泌の乱れや慢性炎症、真皮の弾力低下を原因とした黒ずみや開きなど、多角的に働きかける点が魅力です。ただし、製剤の由来や濃度、処方設計に個体差が大きく、結果には個人差が出る可能性があります。
毛穴タイプ別:開き・たるみ・黒ずみ・ニキビ跡への働き
毛穴の悩みには、主に「開き」「たるみ」「黒ずみ」「ニキビ跡」の4種類があるでしょう。それぞれのタイプ別に、エクソソームがどのように作用するのか、以下の表で確認してみてください。
| 毛穴の悩みタイプ | エクソソームの働き |
| 開き毛穴 | ・皮脂分泌の過多と炎症にアプローチ・肌の水分保持とバリア機能の底上げに期待できるため、開きが目立ちにくくなる |
| たるみ毛穴 | ・真皮の線維芽細胞機能をサポートし、コラーゲンの再構築を促す・肌にハリ・ツヤが生まれ、引き締め効果が期待できる |
| 毛穴の黒ずみ | ・角質代謝の乱れと酸化を抑える環境づくりを行う・継続的に施術することで、黒ずみが目立ちにくくなる効果に期待できる |
| ニキビ跡 | ・単独よりも、ダーマペン等のマイクロニードル系の施術と組み合わせるのがおすすめ・エクソソームで期待できる肌の再生効果から、修復プロセスの後押しにつながる |
「効果なし」と言われる理由
エクソソーム治療を受けたからと言って、即効で毛穴が消えるわけではありません。治療後すぐに毛穴の悩みが改善できると考えている場合、「効果が出ない」と感じてしまうでしょう。
エクソソームを活用した毛穴など肌悩みへの構造的な改善には、週〜月単位の継続が必要で、短期間で中止すると実感が乏しくなります。また、製剤の濃度や由来、保存状態が不十分だと力を発揮しにくいこともあります。さらに、重度のクレーターや進行したたるみは、エクソソームだけでは十分でない場合が多く、ほかの適切な施術との組み合わせが欠かせません
エクソソーム毛穴ケアの方法:ホームケアとクリニック施術の違い
エクソソームで毛穴ケアを行う方法には、主に以下の2種類があります。
- 美容液などの化粧品を使ったホームケア
- 点滴や注射によるクリニックでの施術
ホームケアは、毎日の習慣に組み込みやすく、刺激が穏やかでダウンタイムがないメリットがあります。一方で、浸透の深さや濃度には限界があり、目に見える変化を実感するまでには時間がかかります。
クリニック施術は、点滴や注射などによって、エクソソームを必要部位に集中的に届けられることが特徴です。比較的早く効果を実感しやすい反面、費用やダウンタイム、医師の技量に結果が左右されます。
以下では、それぞれのケアが向いている人のタイプを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
ホームケアが向いている人はこんなタイプ
エクソソームで毛穴ケアをするのに、ホームケアが向いている人は以下のようなタイプです。
- 軽度の開きや黒ずみが気になる方
- 敏感肌で強い施術に抵抗がある方
- まずは低コストで試したい方
ホームケアをする場合は、エクソソームだけではなく、食事や運動などの生活習慣を整えつつ、朝晩のスキンケアで地道に肌環境を底上げしましょう。また、エクソソームは花粉や季節のゆらぎで荒れやすい時期にも、鎮静目的の補助として役立ちます。
クリニック施術が向いている人はこんなタイプ
エクソソームで毛穴ケアをするのに、クリニック施術が向いている人は以下のようなタイプです。
- たるみ毛穴や凹凸が目立つ方
- イベントなどがあり即効性を求める方
- ホームケアで頭打ちを感じた方
クリニック施術を行う場合は、エクソソームに加えてダーマペンやポテンツァといった送達効率の高い施術を組み合わせると、修復と再構築の両輪で毛穴ケアを進められます。ただし、費用が高くなる可能性があるため、予算と改善までの仕上がりを考慮しつつ検討しましょう。
このように、毛穴ケアにエクソソームを取り入れる場合は、悩みの深さや通院の可否、予算と希望期間で選ぶことが重要です。
エクソソーム美容液の使い方と順番
ホームケアでエクソソーム美容液を使用する場合、どのように使えばよいか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。以下では、正しく使う順番と、肌タイプ別の注意点について詳しく解説します。
正しいスキンケアの順番
エクソソーム美容液を使った正しいスキンケアの順番は、以下が基本です。
- 洗顔
- 化粧水
- エクソソーム美容液
- 乳液・クリーム
導入美容液としてエクソソーム美容液を使う場合は、以下の順番になります。
- 洗顔
- エクソソーム美容液
- 化粧水
- 乳液・クリーム
また、朝のスキンケアでは、保湿したあとにUVケアを行うようにしましょう。夜は、メイクオフと洗顔の後に化粧水でならし、エクソソームを塗布してから油分で密封します。角質ケアを行う日は、刺激が少ない処方なら併用可ですが、赤みが出るときは頻度を落とすようにしてください。
なお、上記はあくまでも一般的な使用方法であるため、実際にエクソソーム美容液を使用する際は、製品に記載されている使用手順を遵守しましょう。
肌タイプ別の使い方:敏感肌/脂性肌/乾燥肌で調整しよう
エクソソームは肌のタイプによっては赤みや違和感が出たり、上手く浸透しなかったりする可能性があります。以下では、敏感肌/脂性肌/乾燥肌の肌タイプ別の使用時の注意点を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
| 肌タイプ | エクソソームの使い方 |
| 敏感肌 | ・最初は隔日で少量から開始し、赤みや違和感がなければ徐々に増量する・敏感肌の場合は、刺激に慣らしていくことが重要 |
| 脂性肌 | ・Tゾーン中心に薄くのばすようにしてなじませることが重要・皮脂が多い日中は量を控えめに、夜にしっかり使うと安定する |
| 乾燥肌 | ・化粧水を2回に分けて重ね、その直後にエクソソームを塗ると浸透感が高まる・仕上げのクリームで水分の蒸散を防ぐことも重要 |
エクソソームと他の成分は一緒に使える?【レチノール・ビタミンC・アゼライン酸】
エクソソームは、一般に低刺激で、複数の成分設計と相性がよいのが強みです。ただし、角質代謝を強める成分や酸性度の高い成分と併用する場合は、肌状態を見ながら間隔をあけて使いましょう。
以下で紹介するOK・注意・NGの組み合わせ早見表を参考に、重ねすぎない設計を心がけてください。
OK・注意・NGの組み合わせ早見表
| 成分 | 併用可否 | ポイント |
| レチノール | 注意 | 交互に夜で使用。赤みや乾燥が出る時期はレチノール頻度を下げる。 |
| ビタミンC誘導体 | OK | 朝はUVと併用し酸化ケアを補強。エクソソーム後に重ねると◎。 |
| アゼライン酸 | OK/注意 | 低刺激設計なら併用可。乾燥やピリつきが出た日はどちらかを休止。 |
| AHA/BHA | 注意 | 角質ケアの日はエクソソームを先に薄く塗る。刺激を感じたら頻度調整する。 |
| 同日の高濃度ピーリング | NG | 施術当日は併用を避け、鎮静と保湿を優先。医師の指示に従う。 |
エクソソーム施術の比較:ダーマペン・ポテンツァ・注射/点滴
エクソソーム施術の方法には、主にダーマペン、ポテンツァ、注射/点滴があげられます。
ダーマペンとは、極細針で微細な穴を作り、肌の修復作用を引き起こすことで毛穴を引き締める施術です。穴にエクソソームを浸透させることで、毛穴の開きや浅いニキビ跡などの凹凸の改善につながり、数回の積み重ねによってさらなる肌の質感のなめらかさを狙います。
ポテンツァは、RF×ニードルによって、引き締めと肌質改善の両立を狙える施術です。ダーマペンと同様にエクソソームを浸透させることで、引き締めながら肌の質感を整えます。
注射は部位に直接投与でき、点滴よりも局所性に優れます。点滴は、全身投与でダウンタイムが少ないですが、毛穴のような局所悩みには個人差が大きい傾向です。
効果の出方や回数の目安、持続期間
これらの施術の悩み別の効果の出方や回数の目安、持続期間は以下のとおりです。
| 毛穴の悩みタイプ | 効果について |
| 開き毛穴 | ・ダーマペンを3〜5回、4〜6週かけて行うことで目立ちにくくなってくる・早めの引き締め重視ならポテンツァを3〜4回、6〜8週にかけて行うのがおすすめ・注射・点滴を補助的に活用するとさらなる効率化が見込める |
| たるみ毛穴 | ・たるみには、ポテンツァがとくにおすすめ・目安としては、3〜4回で半年〜1年ごとにメンテナンスするのが一般的・また、軽度なたるみであればダーマペンも選択肢として考えられる・ハリの底上げに、注射を併用するのもおすすめ |
| 毛穴の黒ずみ | ・ハイドラフェイシャルやピーリングで黒ずみを除去するのがおすすめ・その後、点滴や注射で鎮静・維持すると、悩みの改善を維持しやすくなる・必要に応じてポテンツァで皮脂を抑制したり、ダーマペンでざらつきを抑えたりするのもおすすめ |
| ニキビ跡 | ・浅い凹凸であれば、ダーマペンを4〜6回行うことで改善が期待できる・深いクレーターには、ポテンツァを3〜5回行うのに加え、サブシジョンやフラクショナルレーザーを併用するのがおすすめ・注射や点滴は、炎症鎮静のサポートを行うための併用に活用できる |
ダウンタイムや副作用のリスクを知っておこう
それぞれの施術におけるダウンタイムや副作用のリスクは、以下のとおりです。
- ダーマペン:赤み・点状出血・ヒリつきが数日程度起こる可能性がある
- ポテンツァ:腫れやむくみ、稀に色素沈着が起こることがある
- 注射:内出血や圧痛が起こる可能性がある
- 点滴:刺入部に違和感が生じる可能性がある
いずれの施術についても、日焼けや摩擦は悪化の要因になるため、施術前後のUV対策と保湿を徹底しましょう。また、既往症やアレルギーのある方、妊娠中の方は必ず医師に申告してください。
エクソソームの料金相場と費用対効果
エクソソームは1度だけではなく継続して活用することを前提としているため、続けやすさは結果に直結します。美容医療で受けられるエクソソーム点滴・注射の料金相場は、以下のとおりです。
◾️エクソソーム点滴
| 本数 | 費用 |
| 1回 | 約4万円〜5万円 |
| 4回 | 約18万円 |
※銀座美容クリニックの金額をもとに解説しています。
◾️エクソソーム注射
| 本数(投与量) | 費用 |
| 250億個 | 約2万円〜5万円 |
| 500億個 | 約4万円〜10万円 |
| 1,000億個 | 約7万円〜18万円 |
| 2,000億個 | 約10万円〜33万円 |
| 4,000億個 | 約15万円〜60万円 |
| 6,000億個 | 約20万円〜85万円 |
| 1兆個 | 約30万円〜92万円 |
| 2兆個 | 約50万円〜220万円 |
※銀座美容クリニックの金額をもとに解説しています。
費用対効果については、回数や量の選び方が患者様の肌の状態によって異なるため、医師と相談しながら適切な方法を選び、最大化しましょう。
エクソソームのホームケアにかかるコスト
ホームケアに活用するエクソソーム美容液のコストは、1本あたり3,000〜30,000円台という幅広い価格帯になっています。美容液は1か月で1〜2本消費するペースで使用するため、年間では36,000円〜360,000円の費用がかかるでしょう。
クリニックでの施術に比べると効果が実感しにくいものの、継続的にケアすることで、満足できる効果が現れた場合、総合的にコストが安くなります。
安さだけで選ばないためのクリニックの見極め方
クリニック選びのポイントとしてあげられるのは、主に以下のとおりです。
- 医師の経験や資格
- 実際に利用した方の口コミ・評判
- 薬剤の由来・ロット管理・保管体制の説明が明確か
- 医師の診察とカウンセリングに十分な時間が設けられているか
- 症例写真には誇張がないか
- アフターケアとトラブル時の対応、追加費用の条件等は明確か
上記を押さえておくことで、来院時のギャップを無くし、施術への安心感も得られるでしょう。
他の毛穴治療との違い
毛穴治療を行う選択肢には、エクソソームのほかにもいくつかの種類があります。主にあげられるのは、以下の3つです。
- ハイドラフェイシャル
- ピーリング
- レーザー
以下では、それぞれの違いを詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
ハイドラフェイシャル・ピーリング・レーザーとの違い
ハイドラフェイシャルは、水流と吸引で毛穴の詰まりをリセットするため、黒ずみに即効性があります。ケミカルピーリングは、角質の更新を促し、ザラつきと色むらを均す効果に期待できるのが特徴です。
レーザーは、たるみ毛穴や凹凸の改善に向いている施術だといえます。一方でエクソソームは、黒ずみや凹凸の「除去」よりも、肌質全体の「環境を整える」施術です。
そのため、エクソソームはこれらの施術と組み合わせることで、さらなる相乗効果に期待できます。
購入・施術の予約前にチェックしたいポイント
エクソソームのホームケア、施術を行う前に、チェックしておきたいポイントがあります。以下では、ホームケアと施術の前に確認するポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
ホームケアアイテムを買う前に確認したいこと
エクソソームのホームケアアイテムを買う前に確認したいことは、主に以下のとおりです。
- 信頼できる販売元
- 由来原料と濃度、保存方法、開封後の使用期限は適切か
- 香料や防腐剤に敏感な方は成分もチェック
- 予算に合っていて続けやすいか
施術を受ける前にクリニックで必ず聞いておきたいこと
クリニックでエクソソーム施術を受ける前に確認しておきたいポイントは、以下のとおりです。
- 医師の資格と担当体制は信頼できるものか
- 症例が加工されていなく信頼できるものか
- ダウンタイムの説明は適切か
- キャンセル規約や追加費用は明確か
エクソソームによる毛穴ケアについて、よくある質問
最後に、エクソソームを活用した毛穴ケアに関するよくある質問を紹介します。実際にケアを進める前に知っておきたい内容をまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
エクソソームの美容液は効果があるの?
エクソソームの美容液は、肌環境を整える目的において、継続的に使用することで徐々に効果が実感できるでしょう。ただし、重度のたるみ毛穴や深い凹凸の改善に使用するには、単独では劇的に変えるのは難しいのが事実です。
そのため、美容液でケアを行いたい場合は、あくまでも軽度な開きや凹凸を目的してください。
エクソソームは危険ですか?
エクソソームの多くは、トラブルなどの問題なく使えます。ただし、製剤の品質や保管状態が悪いと、個人によっては刺激やトラブルの原因になります。そのため、ホームケアでは信頼できる販売元の製品を選び、医療機関での施術では納得いくまで丁寧にカウンセリングを進めましょう。
また、施術後や化粧品の使用中に異常を感じたら、速やかに使用を中止し、クリニックを受診しましょう。
クレーターはエクソソームでどこまで改善できる?
エクソソームは、浅い凹凸や質感の粗さには寄与しますが、深いクレーターに対しては、単独では限界があります。クレーターをより確実に改善したい場合は、ダーマペンやポテンツァ、フラクショナルレーザー、サブシジョンなどの治療と併用するのがおすすめです。
まとめ:毛穴のお悩みに対するエクソソームの効果
エクソソームとは、炎症の鎮静や真皮環境を整える役割を担うため、毛穴の目立ちにくいハリのある肌を目指せる施術です。毛穴の開きや黒ずみにはホームケアから、たるみや凹凸には施術の併用で段階的に取り組むなど、エクソソームは悩みに合わせて活用しましょう。
毛穴の対策に悩んでしまう方は、症例が明確に公開されていて、カウンセリングが丁寧なクリニックへ相談するのがおすすめです。銀座美容クリニックでも、毛穴タイプに合わせたオーダーメイドの提案が可能なので、ぜひ気軽にご相談ください。


